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| 08.05.12 |
社 説 |
生産者から消費者重視へ強い権限持つ「消費者庁」創設 |
消費者行政を一元的に推進する新組織のあり方を検討する政府の消費者行政推進会議で4月23日、福田康夫首相は「消費者庁」を来年度に創設する意向を表明した。一般消費者を対象にした取組みなので、ビルメンテナンス業者には関係ないと思われがちだが、業績拡大のため企業との取引だけでなく、一般消費者を対象にした業務を行っている業者も多く見受けられるため、見過ごせない話題だ。 消費者行政は現在、内閣府の国民生活局が中心となっているが、ガス器具による事故は経済産業省、食品ラベルの偽装は農林水産省、食中毒になったら厚生労働省、消費者金融会社とのトラブルは金融庁という具合に担当が分かれ、消費者にとっては非常に分かりづらく利用しにくいのが現状だ。 また、新たな消費者問題に対する規制権限を持つ官庁がなかったり、一つの問題に複数の官庁が権限を持つなど、責任の所在や司令塔の存在が明確になっていないことで、対応が後手に回りがちになっている。中国製冷凍ギョーザ事件で、一件目の被害が発生してから厚労省が事実を発表するまで1カ月もかかったことや、ガス瞬間湯沸かし器による一酸化炭素中毒事故が、20年以上も前から起きていたのを把握しながら防止策を講じていなかったのはその例といえよう。 規制自体も、許認可などの事前規制が中心で、違反行為に対する制裁機能が不十分なため、事業者に違法行為の“やり得”を許す状況になっている。 これらは、わが国の「縦割り行政」、つまり生産者を重視し、行政組織を生産者の区分ごとに編成している弊害といわれている。福田首相も内閣メールマガジンで指摘するように、高度経済成長を実現する過程では生産者重視の行政が求められていたかもしれないが、今や消費者を重視した取り組みこそが、新たな価値を生み、経済の活性化にもつながる時代だ。 消費者庁の創設が、従来の「生産者重視の政治」から「生活者重視の政治」へ、「官」主導の社会から「国民が主役の社会」へと転換する大きな原動力になると考えられている。 消費者庁について、福田首相は 1、商品・金融などの「取引」や製品・食品などの「安全」「表示」など、消費者の安全・安心にかかわる問題を幅広く所管する 2、一元的な窓口機能、消費者行政の企画立案機能、企業や他省庁への強い勧告権などを持つ、消費者行政全般の司令塔として位置づける 3、行政組織の肥大化を招かないよう、各省庁から消費者行政にかかわる法律や権限、人員を引き継ぎ、重複を避ける、などの方針を示した。 まずは推進会議が5月末までにまとめる最終報告書に、どこまで具体的に盛り込めるかが焦点となる。与党は、「消費者の側に立った、強い権限を持つ消費者庁を確立したい」と鼻息が荒い。同時に、予算削減で疲弊する地方の消費者行政の強化にも、全力で取り組んでもらいたい。 |
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