BM技術講座
木村光成(木村ブラシ代表)
2006年カーペットの動向
新規入札現場の注意点
2006年以降のカーぺット床の動向がわかる第24回インテリアトレンドショウが開催された。我々は同展示会の内容から次年のカーぺットの傾向を占ってきた。昨年は黒白を基調としたモノトーンからの脱却を予想したが、まだ抜けきれていないようだ。
また、ビルの構造計算の偽造問題は、ビルメンテナンスにも水面下で影響が予想される。 それは耐震強度に対する関心が高くなり、今まで以上に躯体に費用を取られ、その分、内装費が削られることが考えられるからである。内装費の外見は、ますます豪華さが要求されているのに、費用は切り詰められる。その手法として石材でいえば厚みを下げることである。そしてカーぺットはデザイン偏重になる。
こうした動きが現実になると、犠牲になるものはメンテナンス性である。作業の難易度は上がる一方で、清掃機械や洗剤も見えない部分に注意が必要になる。例えば、ある新型バキュームは、吸引力が同じで幅が大きくなっている。これは単位面積当たりの性能の低下を示すことになる。そして吸引力の低下は、パイル内部のダストの取り残しを意味する。
来年のカーぺット流行は、パイルの凹凸で模様を浮き出すいわゆるグラフィックカーぺットであろう。しかし、このカーぺットの問題点は、清掃機械の性能の低下である。すなわち難易度の高さである。ハイロウカーぺットは汚れが取れにくく、耐久性がないことは、20年前にミラサムの三井物産佐藤繊維部長が述べていてデータもあるが、現在カーペットメーカーは、ほとんどこの注意点に触れていない。グラフィック模様のカーペットは、通常のタイルカーぺット3mm、レベルループの40%程度しかない例もある。こうしたデータをつけて管理会社に提案しておくことが必要になる。
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| 写真 1 |
写真 2 |
写真1はパイルの凹凸による模様を表現するタイプのカーぺットの種類である。ものによっては日常管理に数倍の手間がかかる。ポイントはこれらのカーぺットの日常管理に適した真空掃除機の選択に尽きる。現場で効率を測定して選ぶ必要がある。
写真2は石ではなくカーぺットである。このような製品にデザイン屋は飛びついているが、我々にとってはメンテナンスが思いやられる。バブル崩壊期には安いことだけであったが、現在、見栄えの良さが条件である。そこにもうひとつ天然材料であることが加わるため、当然メンテナンスのしにくさからクレームの多発がついてくる。
次の傾向は高級志向である。安くて見栄えのよい商品を求める反面、個人消費は高級段通に向かう傾向がある。昨年と比べると段通の出店が数倍になっていた。しかも小型の絹物が多い(1m×80cmで30万円)。おそらく木床の中敷として使用されるのであろう。
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| 写真 3 |
写真3はイランの職人による段通手直しの実演である。シャーリング(凹凸の修正)、房の補修を行っていた。また、現地における段通の洗浄やマーセライズ加工などのビデオを写していた。これらの用語を耳にするのもバブル期以来である。
しかし反面、偽物も多くハウスクリーニングでは大きなクレームの危険がある。30年前の手洗いも必要になる。 現在、カーぺットの製造は、主に中国に外注している。また、ペルシャ段通も羊毛はニュージ−ランドであり、国際化が進んでいる。そして家庭用のカーペットはベルギー物が健在であり、アクリルからウールまで各種があり見分けが難しい。
対応の要点
最も必要な技術はカーぺットの判別技術である。これはカーぺット判別資材(薬品用具)を使用して、カーぺットのメンテナンス性を調べ、それらのデータにより提案書の作成、洗剤、機材の選択をすることである。よく誤解されるが、カーぺット繊維の判別が目的でなく、どのような洗剤、機材を使いメンテナンスするか。また、クレームの危険度などを総合判定することである。
最近、特にアメリカ製の洗剤に燐やメタ珪の含まれた洗剤しみぬきが多く、清掃機械も120ボルト仕様のままの製品が多くなっている。その上、性能表示が正しくないものが増えている。こうした洗剤は、ウールや場合によってはナイロンの酸性染料まで問題を起こす可能性が大きい。カーぺットは触れる、燃やすといった単純な手法ではメンテナンス難易度は調べられない。
写真は、現場でできるかーぺットの見分け方、実験セミナーであるが、最近は薬品、クレームサンプルなどが多量に必要であり資器材が多量であり移動が困難であるためセミナーの場所確保が難しく、実験担当者が数名必要であり、10年来ほとんど行われていなかったが、本年になり場所と人手が確保できたため、石材、カーぺット、木床、さびなどの実験セミナーを定期的に行っている。とにかく各社にこれらの判別技術と情報を普及することが急務であり、最良の対応法である。
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