BM技術講座
木村光成(木村ブラシ代表)
ハウスクリーニング成功の条件
清掃機械の他社との差別化
先日、ビルメンテナンス業者の研究会があり、年末から春先にかけてのハウスクリーニング受注価格の傾向について分析を行った。もちろん明るい材料はないが、参入業者の増加傾向の増大が顕著であり、固定顧客の獲得と他社との差別化が鍵になるとの対応策が確認できた。ダスキンなどの政策もこの方向にある。また、アトピー商法などと連携した業者も見られるとの報告もある。
ハウスクリーニングの仕事の多くは引越し清掃である。しかも、きれいに仕上げてほしいという品質要求が強く、クレームはリニューアル現場で増えている。
リニューアル現場でクレームが多い理由は、使用素材や施工に問題の多い業者があるた
めと考えられる。それがハウスクリーニング作業に関する弁償問題多発の原因でもある。たとえばバブル時代の大理石の残りを安
く仕入れて使っていることがある。外見は良いが売れ残りであり、使用中に変色などのクレームの危険を含む場合が多い。国民生活センターなどの情報に引き続き注意が必要であろう。
このように一見ハウスクリーニングはブームであるように見える。しかし、現実は15年前の便利屋ブームのときほど甘くない。激烈な価格競争下にある。フランチャイジーのシステムを買うだけでは生き残れない。少なくとも独自のシステムを持つ必要がある。
たとえば清掃機械の選択も、ビルメンの機材をそのまま 使ったり、フランチャイジーのシステムをそのまま使っていては効率が悪すぎ利益が少ない。まず、ビル清掃とハウスクリーニングの現実の条件の違いを把握しておくことである。この点を理解していないハウスクリーニング業者はいずれ淘汰される。
1、ハウスクリーニングでの採算の条件
@出来るだけ少ない人員で行う。2人なら売り上げは半分。しかし、ハウスクリーニングでは2人投入しても2倍の能率があがらない場合が多い。流れ作業的な対象が少ない。公共団地など同じ間取りの仕事が数多く出る場合は例外的である。そして車での移動は時間、駐車代などの負担が売り上げに対して大きな割合を占める。そこで国民生活センターの分類が成立する。
ハウスクリーニング
@ 家事代行型
原則1人移動は交通機関、資機材は先方の物を使用。
A 専門技術型
原則、車で移動1〜2名が多い。資機材持参。
また、専門技術型は次のような分類になる。
B 共用部門定期
マンションの共用部門の定期清掃、高圧洗浄機による作業、大型機械を使用、ビルメンの定期と同じ。
専門技術型
C 共用部門日常型
マンションの共用部門の朝、夕の清掃。原則1名。
D 専用部門専門技術型(狭義のハウスクリーニング)
いわゆるハウスクリーニング。1〜数名が車で移動、機械、洗剤全て持参。
通常ハウスクリーニングとは施用部門技術型ハウスクリーニングを言う。
(つづく)
2、ハウスクリーニングとビルクリーニングの差異
ビルクリーニング業界が直接参入しても採算割れの場合が多いのはハウスクリーニングとビルクリーニングの差異をつかんでいないためであることが多い。しかし、今後今までのように全て下請けに出す方法は難しくなる。
@面積が少なく、素材の種類が多い。
A日常清掃が不十分な場合が多い。落ちにくいよごれが多い。
Bオーナー(主婦)が見ている前での作業であり品質要求(特にしみぬき)が厳しい。特に引越時の清掃は以前の住人と大家の双方の要求が多く厳しい。
C作業面積が少ないことは価格が安いことであり、そのうえ移動時間の無駄が多い。また都会地では駐車料金も加算される。
D特にカーペットは素足で使用されるため、洗剤などに強力なものを使用できないし、リンスは必ず必要である。保健所にはハウスクリーニング作業後のカーペット残留洗剤による皮膚被害が報告されている。
このように考えてゆくと、ハウスクリーニングはビルクリーニングと比較しても桁違いの技術が求められる。現に高級家具のみの定期清掃を行う専門業者もある。石材で行われるしみぬき法である湿布法は本来アンティークの大理石テーブルを対象にした手法である。
その上、最近は参入者が多く、価格的にも厳しく、技術的にも難しいハウスクリーニングで利益を出すにはそれなりの条件が必要である。
3、ハウスクリーニング業界の対応
ダスキンをはじめとするハウスクリーニング業界の対応は
@見積もり時の作業範囲を明確にする。しみ抜き技術の向上(しみぬき薬品使用技術)
A固定客の確保、定期作業の割引
B1箇所で特殊な仕事を取る(石材、カーぺット、クーラー)
C専門業種を狙う(理髪店、レストランの石材、ガラスショーケース)
D作業員を最小限にする
E洗剤、浄水器などの販売
F使用機械による他社との差別化
これらの実例に関しては今後、機会を見て詳説してゆく。
今回はハウスクリーニングを成功させるための1項目として使用機械の他社との差別化について述べたい。
4、ハウスクリーニング用機械の条件
ハウスクリーニングの特徴のひとつに顧客の目の前で作業するということがある。作業者は常に見られていることを意識し、やはりプロは違うと思わせる必要がある、一時期スチームが有効であつたが、現在は通販でも1万円以下で買えるためパフォーマンスの効果は少なくなっている。
しかし、用具を使用するということは、車の使用が不可欠となる。ハウスクリーニングで最も使用する機械は @バキューム Aリンサー Bポリッシャーの3つである。
さらに、この3つを絞り込めば Aリンサー Bポリッシャーである。この2つは家庭にはない機械である。そこで今回は、ハウスクリーニング用ポリッシャーについて考えてみたい。 (つづく)
5、ハウスクリーニング用ポリッシャー
ハウスクリーニング用ポリッシャーの条件として以下のことが考えられる。
@小型であること
15年ほど前(社)全国インテリアクリーニング協会で公団のクリーニングの条件を調査したところ、室内で通行できる幅は30cm以下という結果がでた。しかも5階以下ではエレベーターがない場合が多く、移動が激しいため機械寿命は短い。
A1人で5階まで上げられる。乗用車のトランクに入れられる大きさ。
B洗剤タンクつきで、あらゆる作業に使用できる。
下の表はハウスクリーニング用ポリッシャーのあるメーカーの事例を示す。各自で改装、改良の参考にされたい。
(完)
| 注、タンク付き、ハンドル伸縮が特徴 注、洗剤は中心から出るセンター注水方式(特許取得)
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ハウスクリーニング用ポリッシャー応用部品 注、標準は8インチであるが、短時間であれば12インチ部品の使用も可能 注、ハウスクリーニングポリッシャー用洗剤、ワックス、シミヌキ薬品、研磨剤 については今後、機会を見て説明。
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