BM技術講座

木村光成(木村ブラシ代表)


木床のクレーム

 

 木床ブームである。丸ビル、汐留などの03年に完成したビルは、石やビニールタイルに変 わり木床が主役になろうとしている。しかし、シックハウスの影響で木床の耐水性が非常に悪 くなっている。塗料、接着剤の制限、高級材の低価格要求などで、木の厚さが減少している。 以前と同じ作業を行えば大きなクレームに確実に当たる可能性が高い。そして木のクレームは 金額も100万円を超える事例が多い。
 今までは木の知識は必要なかったし、協会も木 の種類の判別技術さえ教えていない。 しかし、これからは40年前に戻り、自分の身を守る ために現場における判別技術が要求される。これがないとクレームは全てが現場の責任にされ る。一部では責任のない原因まで背負わされる例がある

事 例
 施工4年の木床に毛羽 立ち、ささくれ、木目との間の柔軟部に彫れがおき、部分的にワックスの表層剥離が見られた 。その責任は日常、定期清掃を受けていた下請けに要求がきて、オーナー、ゼネコン側はメン テナンス不良としてサンデングとウレタン塗装による補修を要求した。

対 応
 元請け は丸投げで4年間の管理記録もない。現場を調べると外見上、節の多い松材と考えられた。し かし、建築仕様書はナラ材と記載されていた。これでゼネコンの弱点をつかむことできた。
@ クレームの原因は仕様書のナラ材を使用せず赤松を使用した。この材は節が多く、やにの滲み出しもありワックスの密着性を阻害したため床材の一部に掘れを生じた。
A こ のようにクレームの原因は材質の違いによるものであり、当方に原因はない。
B 必要で あれば床の一部をとり、顕微鏡写真による撮影を行えば針葉樹独特の仮導管が見られ、ナラ材でないことは証明できる。
 以上の報告書を提出し、ほぼ費用はゼネコンもちで補修作業 を請け負える見通しである。

 今後も木床のクレームは増加する。現在、シックハウスが騒がれ始めた1995年ごろの施工の剥離作業での問題が多い。ゼネコンに対してビルメンはあまりに無防備すぎる。
 ゼネコンは必ず仕様違反がある。現場の仕様書とメンテナンス指示書を入手して相手の弱みを握っておく。 クレームが起きるとゼネコンもオーナーもこれら資料を見せてくれなくなる。メンテナンス指示書にない作業を行う場合は必ず提案書を出し確認をとる。
 特に自動床洗浄機の使用には注意が必要だ。問題がなければゼネコンやビル オーナーは何も言わない。最近はコンサルタント会社が関連している場合があり理論武装が必 要である。
 このため、木の見分け方や試薬による塗料の判別、顕微鏡による判定法など を禁止している協会は、これを解除する時期にある。

板目にささくれが起きている あまりにも節が多すぎる点が、ヒントになり
ゼネコンと対抗できた
なら材の木目。上の松材とはかなり違う


木床は染色されている例が多く、テスト試薬による確認が必要である。
チークの着色例である。このように油溶性染料が使われている場合が多いが、
今後は水溶性が増加する可能性が大きい。
このため大きなクレームが起きることが考えられる。
一部のビルメンはこれに対する社内教育を始めている。
特にハウスクリーニングでこの危険が大きい



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