BM技術講座
木村光成(木村ブラシ代表)
弗素コートフローリングのクレーム
撥水剤の判別の必要性
フローリングの撥水剤加工は、ほとんどがフランチャイズ業者による現場加工だった。これは石材の撥水加工と同じ流れである。しかし、この場合、耐久性が問題になり特に砂岩やライムストーンでは短期間で撥水効果が失われる現場がかなりあり、某ビルでは推薦したビルメンテナンス会社が責任を負わされた例もある。
最近の撥水剤は、シリコン系から弗素系に移行している。一時期、石材用撥水加工が数日で効果がなくなり問題化したこともあった。これは一部の業者が、シリコン系撥水剤をうすく希釈して使用したためだった。
シリコン系撥水剤は高価であり、特に砂岩、ライムストーンに効果を求めるには漬け込みを行わなければならないのが現状であった。そうなると撥水の費用が石材をはるかに越える場合も出てくる。
しかし最近は東芝シリコン、信越シリコンのほかにダイキンなどの弗素メーカーも加わり、撥水性能は向上している。
また、皮膜を形成する製品が増え、使用量も少なくてすむ傾向になりつつあるとともに溶剤使用からアルコール、水系になりつつある。そしてジョンソン、ボンドなども撥水剤に進出している。ところが問題はその耐久性である。
ほとんどの製品の表示が鉛筆硬度の表示であることから、塗料の性能表示が壁面での使用を想定しているもので、土足での使用のデータになっていない。まだ高価な点と剥離がむずかしい点は撥水剤の欠点といえる。そして土足使用での耐久性は歴史の長いカーぺットの撥水剤加工、すなわち防汚剤の場合でも洗浄により効果が失われるのが問題であった。特に加熱を行わない現場施工タイプは耐久性がない。
販売業者が言うように、撥水剤の使用によって清掃が不必要になる心配はない。このことはカーペットのメンテナンスの歴史がしめしている。
フローリングの場合も石材、カーぺットと同様にフランチャイズ業者が販売に手を染め、主にマンション業者の引渡し現場を対象に売り込みを行っている。そしてその剥離とワックスへの切り替え時にクレームが生じている。問題は剥離しにくい製品が多くワックスなどの保護剤の密着不良である。オーナー切り替えの理由は、すべりの問題と撥水効果の持続がそれほどでもなく価格が高い点である。
ところが最近は撥水剤ではなく撥水塗料が工場施工されているフローリングが使用されている。これは塗料であり皮膜も厚く耐久性も高い。これを単純に引き渡し時の撥水剤塗布加工と誤認してパット洗浄を行いクレームになった例が起きた。まだ事例は少ないと思われるが注意されたい。代表的なナショナル製品の例を示す。
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このように床材を代表する内装材は、多種多様な製品が販売され、しかも地球にやさしということはメンテナンスがしにくい、言い換えればメンテナンス技術の難易度が高いということである。
このため、実際の作業に入る前にフローリング判別用薬品などを使った、建材の見分け技術がますます要求される。
ちなみに撥水剤の判別は、精製水の滴下による接触角の判定が簡易法としてよく利用される。この方法は、各社の性能比較にも利用できるだろう。
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