BM技術講座
木村光成(木村ブラシ代表)
蛇紋岩とアスベストの関係
クボタをはじめ、過去にアスベスト(石綿)をとり扱った会社が軒並み大きな問題を抱えてしまった。これをきっかけとして、アスベストによる
肺がんの問題がテレビ報道され、今後、アスベストが原因となる肺がんが多発するというショッキングな報告が行われた。いま考えてみるとこの大
問題がおきる前に2つの前触れがあった。その一つは、2004年7月に蛇紋岩粉末のモルタルへの使用が禁止されたことがビル新聞に報じられて
いたことだ。 蛇紋岩にアスベストが含まれていることは、ビルメン現場にとり無関係でないため報道したものだ。これは本年の肺がん多発予
想の前振れであった可能性がある。厚生労働省は大手メーカーで死者が出ていることを知っていて、段階的に発表したことは間違いない。 2
004年7月厚生労働省労働基準局から「蛇紋岩系左官用モルタル混和材による石綿暴露の防止について」との通達が出された。蛇紋岩の中にアス
ベストが混在していることに対する注意である。蛇紋岩の粉末はモルタルに混合され、刷毛ぬり作業性の向上が得られる。ビルメン業界で大理石に
分類されている蛇紋岩は唯一の明るいグリーン系の石材である。 アスベストとは蛇紋岩が風化してできる石材繊維で非常に耐熱性がよい。同
じような無機繊維のガラス繊維より、はるかに耐熱性がよく腐食しない、電気を通さない。このため、あらゆる分野で使用されていた。特に熱のか
かるエンジンや鋳物、電気関係、建築素材などである。これは有史以前から使用されていたと考えられ、竹取物語に出てくる火に焼けない織物、火
ねずみの皮衣もアスベスト製に間違いない。 ビルメン現場ではアスベストタイル、すなわち1950年代に大量に使われたPタイルがアスベ
ストである。床タイルは磨耗するためほとんど現在では残っていないが壁面や天井はそのままで、これが問題化している。 次に、ほとんど気
づかれていないが床や壁面に大量に使われている蛇紋岩が含んでいるアスベストがある。本年1月に蛇紋岩アスベストについてホームページに警告
したが、ほとんど反応がなかった。そこで再度発表する。 蛇紋岩は石材業界では大理石に分類しているが変成岩である。緑色の石が少ないた
め大量に使用されている。また、破片はテラゾーとして使用される。メンテナンスの上からは、大きなクレームはないが、小さなクレームが絶えな
い石材である。特に2004年後半は急増した。ビルメンからの視点を以下に記す。 @蛇紋岩が分解するとアスベストになるA蛇紋岩は石材
業者が大理石として販売しているが大理石でない大理石であるB古くから使われている石であるが3Mの珪弗化処理の失敗をよく起こすCつや落ち
クレームの中には、大理石を含んだ蛇灰岩に分類される石材もあり余計混乱を起こしている。台湾蛇紋、ギリシャ産のチノスグリーンなどかなりの
種類があり、同じものでも性質にばらつきが多く、研磨の問題の起きる場合が多い。 この石材のクレームが増加している理由は、@インスペ
クター制度Aグリーン化Bリニューアルなどが影響している。これらの問題とISO取得ビルメンのクレーム隠しと下請けへの押し付けが遠因とな
り、現場ではクレームが満ち溢れる現象がおきていると考えられる。 現場のクレーム対応は資材業者に聞くしかない状態であるが、商売につ
ながらないクレームは業者も対応したがらない。20年前からこの石の性質を確認してビルメン現場に知らせておく必要があった。 この石の
特徴である脂状のつやは、@自然退色しやすいA穴があきやすいB割れやすい…などに注意が必要である。これらはビルメンの責任外であることを
知らない管理会社とビルメン担当者が増えている。 ビルメン側の対策としては、以下のサンプル現場を見て、前もって報告書を提出しておく
必要があるだろう。サンプル現場とは、請負先と同じ石材やカーぺットが使用されていて、出入りがし易い現場で自社現場との比較事例に引用する
現場である。 サンプル現場は@新宿グリーンビルA横浜ビジネスパークB大森いすゞC築地・聖路加D東京駅八重洲E幕張ビジネスパークF
梅田地下街などがある。
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