BM技術講座

木村光成(木村ブラシ代表)


蛇紋岩クレームとアスベストの関係

 2004年7月に厚生労働省労働基準局から「蛇紋岩系左官用モルタル混和材による石綿暴露の防止について」という通達が出された。蛇紋岩の中にアスベストが混在していることに対する注意である。蛇紋岩の粉末は、モルタルに混合すると刷毛ぬり作業性の向上が得られる。ビルメンテナンス業界で大理石に分類されている蛇紋岩は、唯一の明るいグリーン系の石材である。大きなクレームはないが、小さなクレームが絶えない石材である。特に本年後半は、クレームが急増している。
 クレームの内容は、@蛇紋岩が分解するとアスベストになるA蛇紋岩は石材業者が大理石として販売しているが大理石ではないB古くから使われている石であるが、珪弗化処理の失敗をよく起こすCつや落ちクレームの中には、大理石を含んだ蛇灰岩に分類される石材もあり余計に混乱を起こしているーーなど。一概に蛇紋岩といっても、台湾蛇紋、ギリシャ産のチノスグリーンなどかなりの種類があり、同じものでも性質にばらつきが多く、研磨の問題の起きる場合が多いようだ。
 この石材のクレームが増加している原因として、@インスペクター制度Aグリーン化Bリニューアルなどが関連している。また、これらの問題とISOを取得したビルメンテナンス企業が、ISO基準に触れることを恐れて、クレーム隠しや下請けへの押し付けをしているという現場の声を耳にした。そのため関連協会では、現場にはクレームは存在しないとまで言っている。私に言わせれば、クレームが存在しないのではなく、見ないようにしているだけである。
 このため現場ではクレームが満ち溢れていると考えられる。協会などが本来やるべき技術的な指導が存在しない業界なので、現場のクレーム対応は資材業者に聞くしかない状態が続いている。蛇紋岩のクレーム対応について言えば、20年前からそれが常識になっている。
 この石の特徴は@脂状のつやは自然退色しやすいA穴あきがおきやすいという点で、この2点はビルメンの責任外である。しかし、このことすら、知らない管理会社とビルメン担当者が増えている。サンプル現場を見て、提案書の作成を考える必要があることを声を大にして言いたい。
 サンプル現場は@新宿グリーンビルA横浜ビジネスパークB大森いすゞC築地聖路加C東京駅八重洲D幕張ビジネスパークE梅田地下街など。



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