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第17回 東北北海道文学賞 贈賞式
大賞に原口啓一郎さん
東北北海道文学賞会議の第17回東北北海道文学賞贈賞式が3月31日、仙台市青葉区の仙台文学館で盛大に行われた。
司会の五代陸が開会を宣言。井上洋事務局長が文学賞の創設と経緯、現在までの受賞者とその後の活躍をはじめ、第17回の応募状況や選考過程を説明。大
林しげる代表が伊藤桂一選考委員長、仙台市長(代理・志賀野桂一企画市民局文化スポーツ部長)、石橋信勝元宮城県議会副議長(代理・同夫
人)、笠原哲仙台市議会議員(同)、伊達篤郎(財)瑞鳳殿顧問、住吉千代美(伊藤桂一選考委員長夫人)の各氏を紹介した。
続いて伊
藤選考委員長が選評、
「まずタイトルがいい。意味深長である。自分を裏切った幼い頃からの親友との不思議な再会、お互いの心の解け合
いが絶妙に描けている。こういう心情描写はあまり凝った作り方をすると上滑りするものだが、読ませどころを心得ている。友情の清潔な描き
方、まとまりのよさ、構成力に優れた作品であった」と絶賛した。
いよいよ賞の贈呈。大林代表から賞状と賞金、そして今回から新たにクリスタルの像が贈
られ、続けて河北新報社長賞と東奥日報社長賞の記念の楯と賞状と記念品、さらに丸橋賞、横田賞、新木賞の記念品がつぎつぎに贈られた。晴
れやかな表情で賞を受ける受賞者に、カメラのフラッシュが盛んに浴びせられた。
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| 伊藤選考委員長 |
贈賞式 |
大林代表から賞状と賞金 |
原口夫妻 |
来賓を代表して志賀野桂一氏(仙台市長代理)がお祝 いの言葉をのべた後、司会が宮城県知事からのメッセージを代読した。
過去の受賞者から届けられた祝詞と励ましの言葉を披露した後、
九州から駆けつけた第13回の受賞者八王子琴子氏が直接マイクを取ってお祝いをのべた。第1回の受賞者・渡辺毅氏は、受賞作「小さな墓の
物語」ができるまでのいきさつと受賞時の思い出をのべたあと、今後も弛みない精進を、と激励した。
最後に、大賞を受賞した原口啓一
郎さんが登壇し、自分と東北との関わりをのべた後、
「長いサラリーマン生活の中で、これだけでいいのかという疑問がわき、将来は小説
でも書いて暮らせたら…と思い始めました。ただ自分の作品のレベルが分からない。それを見極めようと思ってこの賞に応募しました。この受
賞は文学の神様から、小説を書き続けていいとお許しが出たものと受け取ります。そしてこの賞を辱めることのないよう今後とも精進して参り
ます」と話し、受賞の喜びと感謝の言葉をのべた。会場からは惜しみない拍手が贈られた。
休憩のあと詩人、直木賞作家、芸術院会員で恩賜賞作家でもある伊藤桂一選考委員長が、「私の文学と生活と」と題して約1時間にわたって講演。ご自身の戦争体験から「蛍の川」や「擲弾筒」が生まれるまでのいきさつ、そして直木賞受賞前後のお話しなど普段聞くことのできないエピソードをユーモアを交えて話された。また戦記を理解してくれるのは大正生まれの世代だけになってしまったが、なぜ戦記を書くかというと、ひとつは鎮魂の意味、もうひとつは記録としていつか誰かが読んでくれればいいという気持ちだ、と心情を吐露された。
伊藤先生の記念講演をもって、本年度の贈算式はすべての日程をつつがなく終了した。そのあと、受賞者を囲んでの茶話会が開かれ、和気あいあいの歓談が続いた。
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