新元号の発表とともに幕 を開けた新年度。「働き方 改革」「公的年金引き上げ」 など、時代が大きく変化し ていることを示唆するキー ワードが溢れている。こう いった日本の話題は、世界 中どこにいてもネットニ ュースによってリアルタイ ムで手に入る。スマホ一つで日本を感じ、世界へ発信することができるのだ。
2018年 月に成立した「改正出入国管理法」に より、この 月から新在留 資格「特定技能」が始まっ た。深刻な人手不足と認め られた の特定産業分野 に、今後 年間で約 万5 000人を上限とする外国人材の受け入れが行われ る。職種ごとに求められる 日本語能力と技能評価の試験に合格するか、あるいは3年以上の実習を受けた技 能実習生は試験免除で、同 一職種の特定技能労働者と して 年間の在留ができる ようになったのだ「。ビルク リーニング」においても3万7000人の枠が設けら れ期待が寄せられている。 一方、かなりの駆け込みで 船出するこの制度は、未だ 煮詰まっていない感が否め ない。ガイドラインは公表 されたものの、その具体的 な運用ルールについては、 まだ解像度が粗いままだ。

ここベトナム・ハノイでは、日本での状況と少々趣 が異なり、既に「特定技 能」へ向けて臨戦態勢を整 える送出機関が少なくない。 今年に入ってからというも の、日本でニュースが流れ ると、送出機関の幹部から 数本のLINEコールが入 る。「川口さん、建設職種 の具体的な作業項目はどう なるの?」、「監理団体は通 さなくてもいいの?」、「ベ トナムで試験が始まるのは いつから?」等々、まるで 私が特定技能の日本の代表 であるかの如く詰め寄られ ることもしばしばだ。大手 送出機関A社では、 月頃 から技能実習「建設」職種 のОBリストの整理を進め ており、既に 万人以上の データベースを構築済みだ という。ベトナムでは、「建 設」職種は募集をかけても、 もう新たな応募者が集まり にくいといわれる。「特定 技能」のスキームを使えば、 試験免除で過去の実習生О Bを〝再デビュー〞させる ことが可能であり、日本語 学校での研修期間も不要と なる。同社の幹部は、日本 からオーダーがあれば、い つでもすぐに建設人材を派 遣できると豪語する。 「ビルクリーニング」は、 2016年 月から実習制度に新たに加わったばかり であることから、まだ 年 以上の実習を受けた実習生 ОBが存在しない。事業者 は、今秋実施される「特定 技能」の試験合格者を待つ か、従来の「外国人技能実 習制度」を活用するか、ど ちらかの選択になる。
各国の送出機関が、「ビ ルクリーニング」人材輩出 へ向けて、どのような体制 を創っていくのか大いに注 目したい。新しい時代「令 和」と共に動き出そうとし ている「特定技能」–その 動向からは目が離せない
_________________________________________________________________________________________________
川口 環(かわぐち・たまき)
1968年12月15日、愛知県生まれ。中央大学卒業後、TOTO株式会社を経てWebマーケティング会社 「株式会社ジェイティップス」を設立。約20年間、多数の大手企業Webマーケティングに関与し、グロースハックさせる。ニッチ領域のWebメディア開発を得意とし、数々のバーティカルメディアを立上げ、昨今は、外国人技能実習の無料相談ポータルサイト「外国人技能実習360°」運営責任者として、海外送出機関のリサーチと受入企業の相談にあたっている。年間20回以上海外出張し、約150日間を東南アジア各国で活動する。