グエン・ドック・ヴェット社長に聞く
専用トレーニングセンターでビルクリーニング人材を本格育成!
外国人技能実習生送出機関「ベトナムMD人材開発株式会社」(本社:ベトナム・ハノイ市、グエン・ドック・ヴェット社長)は、このほどハノイ市近郊にビルクリーニング専用のトレーニングセンターを増強し、ビルクリーニング人材に特化した人材育成を本格的に開始した。ベトナムは2017年途中から技能実習生の最大の送出国となり、300社以上の送出機関が乱立している。そんな群雄割拠の注目エリアで、ビルメンメンテナンスの人材輩出へ向けて、どのような戦略を展開しようとしているのか、グエン・ドック・ヴェット社長に話を聞いた。
ーーまずヴェット社長の経歴からお聞かせください。
ヴェット 新卒で大手の送出機関に入社し、10年ほど勤務しました。日本で技術を身に着けて、ベトナムに貢献しようとする若者たちを応援したいと思い、この仕事を選びました。入社後は、人材募集部門で、長く実習生のリクルーティングに関与してきました。
ーー募集部門出身の社長とは異色の経歴ですね。
ヴェット 確かに少ないかもしれません(笑) 。ベトナムの送出機関といえば、とかく営業力の強さが話題に挙がりますが、弊社の売りは〝リクルーティング力〟と〝教育力〟です。私の経験から、この二つをしっかりやることで、結果的にお客様は付いてくると思います。日本の監理団体や受入企業からも、今まさにそれを求められていると考えています。長くこの事業に関わってきましたが、ようやく自分なりに〝送出機関〟として理想のカタチが見えてきたので、思い切って起業し「ベトナムMD人材開発」を立ち上げました。
ーーベトナムMD人材開発の現在の体制は?
ヴェット 2017年7月に設立したばかりのまだ新しい送出機関ですが、営業部60名、募集部100名、教育部40名、管理部10名と既に200人以上の体制を備えています。私の出身である募集部は、他の部門より人員体制を強化し、より力を入れています。技能実習送出機関の大きなミッションは、「優秀な人材」を育成し、日本の受入企業へ派遣することです。そのためには日本語教育をはじめとした〝教育力〟が重要なわけですが、半年程度の限られた教育期間で多くの優秀な人材を育てるためには、最初からポテンシャルの高い人材をリクルーティングすることが早道です。ある意味、人材募集は、教育と同じくらい重要なポイントといえます。 ーー人材募集や教育面ではどのような工夫をしていますか? ヴェット 例えば、ビルクリーニング職種であれば、高校・専門学校卒以上の20歳~25歳に限定して募集を行い、様々なアプローチにより、「活発」な性格で「器用」なタイプの人材に絞り込んでいます。そして応募者に、この仕事の内容や意義をしっかりと理解してもらうことに努めています。募集に熱量を込めることで、優秀な人材の提供が可能となり、職種のミスマッチも起こりにくくなります。また、モチベーションを持って採用された人材は、入学後の学習意欲も高く、日本語や実技の上達も早いのです。
ーービルクリーニング専用トレーニングセンターについて教えてください。
ヴェット 総面積は1000平米以上で、床清掃の訓練室2部屋とホテル居室1部屋で構成され、日本語教室を併設しています。カーペット、窓ガラス、トイレ等の訓練用設備も備えています。そしてベトナム国内のビルメンテナンス会社とパートナーシップを結び、独自の訓練カリキュラムで日々トレーニングを積んでいます。既に100名の実習候補生が訓練中で、3~4カ月後から順次出国して、日本で実習生としてデビューする予定です。
ーーベトナムMD人材開発の今後の展望は?
ヴェット ビルクリーニング職は、ベトナムが経済成長をしていく中で欠かせない職業分野です。これから熟練された労働者へのニーズが高まっていくことは間違いありません。日本で高いレベルのビルクリーニング技術を習得し、母国のために貢献できる多くの人材を輩出していきたいと考えています。