日頃、清掃現場に出 ていて感じるのは、清 掃道具類の開発が、現 場のニーズにまだまだ 追いついていないとい うことです。私の話を 現場の一意見として今 後に役立てていただけ ればいいなと思い、こ こで取り上げることに します。 清掃現場には、年々 新しい設備やモノが増 えています。まず、オ フィスビル。大きな変 化はない方ですが、そ れでも昨今、来客用の 打ち合わせスペースが 仕切られるなど、これ までとは設備の形が違 ってきています。 仕切りだけの来客用 スペースはイスの脚が 多く、日常清掃で脚と 脚の間を清掃していた ら、現状の清掃道具で はとても時間内に終え ることができません。 定期清掃の場合はテー ブルやイスを動かして 清掃すればいいのです が、日常清掃で1カ所 ごとにしゃがんで脚の 間を清掃していては、 どうしても時間が足り なくなってしまいま す。実際、しゃがむス ペースのないところも 少なくありません。こ こは、立ったままイス の間を清掃できる道具 が欲しいですね。 あとは、日常清掃で 掃除機をかけるにあた って、細かい部分を清 掃できるような付属品 がもっと欲しいところ です。今もあるにはあ るのですが、種類が少 な過ぎて、自分たちで 工夫しなければ作業す ることができません。 清掃道具の中には、 部屋の隅を清掃する道 具が少ないと思いま す。床の洗浄を行いな がら、同時に隅の部分 も清掃できるような便 利な道具があると、助 かります。 各部屋の扉と枠はあ まりこまめに清掃して いないところが多いよ うに思います。あれも 一気に拭けるような道 具があれば、日常清掃 でも毎日拭くようにな るはずです。 化粧室はオフィスビ ルに限らず、どこも変 わりつつあります。昔 は化粧室といえば便器 に洗面台、小さな鏡し かありませんでした。 今や温水シャワー洗浄 器付きの便器に洗面 台、ジェットタオル、 大きな鏡と鏡の裏に付 いた照明、オストメイ ト対応設備、化粧台や チェンジングボードな ど、設備がドンドン増 えています。 小便器や洗面台の形 が違うと、清掃方法も 変わってきます。例え ば洗面ボウルが洗面台 の上に置かれたような タイプと、洗面台に埋 め込まれたような一体 型のタイプとでは清掃 方法が違います。それ ぞれのタイプに合った 清掃道具があると、非 常に助かります。これ は清掃用具メーカーさ んではなく、便器や洗 面台のメーカーさんが それ専用の道具を作っ てくださってもいいと 思います。 オストメイト対応設 備があちこちにできて 5〜6年は経つと思い ますが、私の知る限 り、まだオストメイト 対応設備専用の清掃道 具は出ていません。便 器のデザインは次々と 新しいものが出てくる のに、清掃道具は変わ らないのです。 大きな鏡も、下の方 はタオルで拭きます が、高いところは壁用 の道具を使っていま す。すると、どうして も拭いた跡が線状に残 ってしまいます。これ も、誰が使っても失敗 しないような道具を作 ってもらいたいと切に 願っています。 現場から見た清掃道 具の問題点とメーカー さんへのお願いは、次 回も続きます。(2019.10.14掲載)