前回に続き、今回も ビルメンテナンス協 会、業界への私の提言 を書いていきたいと思 います。 小さなビルメン会社 は、協会に加入してい ないところが未だ多い ようです。「なぜ協会 に入らないのです か?」と聞くと、「会 費はいくら?」「協会 に入ると、何かメリッ トがあるの?」と逆に 聞かれます。正直、答 えに詰まります。 実際、私も協会の中 にいながら、その細か いメリットをよく理解 していないところがあ ります。 ただ、ビルメンに関 する情報提供や展示 会、研修、講習会への 参加、共済保険への加 入など、確かなメリッ トはあるのです。 例えばお客様とトラ ブルがあった場合、そ の問題に詳しい弁護士 を紹介してもらうこと もできます。協会のス タッフ自らもっと外に 出て、こうしたメリッ トを説明し、宣伝活動 をしてもいいのではな いでしょうか。 なぜこんなことを言 うかといえば、私が講 演会活動等で外に出る ようになって、協会に 属していないビルメン 会社が意外と多いこと に気付いたからです。 そういった会社は、 協会で紹介する清掃情 報にも疎くなってしま います。それでもお客 様からクレームが来る ような大きなトラブル もないからと、協会に 所属することなく、業 務を続けています。そ れも結構規模の大きな 会社でも、意外とある のです。 ビルメン会社以外に も、例えば製造業の会 社が事業の一つとして 清掃業務を行っている ようなケースはよくあ ります。こうした会社 はやはり協会に属して おらず、作業のやり方 は遅れています。 そんな状況を知るに つけ、ビルメン業界以 外の会社も含めて協会 に入ってもらえるよ う、自ら進んでドンド ン協会の普及活動をし たらいいのではないか と思ったわけです。 ビルメン協会は、日 本の清掃技術を高める ための組織でもあり、 その責任があると思い ます。だからこそ協会 は会員だけでなく、一 般の方々への発信も、 もっと必要なのではな いでしょうか。 もちろん、それには 多くの問題が伴うと思 います。しかし、是非 前向きに考えてほしい と思います。 これは決して協会の 批判ではありません。 協会の皆さんはとても 面倒見がよく、こちら が分からない部分は、 いつも助けていただい ています。 この協会の良さを広 く宣伝して、一般の方 々にも「いざという 時、役に立つ場所」「清 掃の知識を与えてもら える場所」として認知 してもらえればいいな と思うのです。 私はこの清掃の仕事 を愛しています。基本 を学んだ専門学校の先 生方、会社の皆さん、 協会の講師の皆さん、 大会の関係者、お客 様、友人、私のファン とおっしゃってくださ る方々、そして家族 ……皆さんのご指導、 応援のおかげで今の私 があるのです。 2020年に向け、 清掃業界はさらに人手 不足になります。だか ら一人でも多く、この 仕事に興味を持っても らいたい。また、日本 の清掃技術の素晴らし さを、世界の方々にも もっと伝えたい。その ためにも、皆が頼りに し、誰からも愛される 協会になってほしいと 思います。(2019.9.23掲載)